8 幻の狼?どん底・・・幻の狼?♪・・・ 貴方も狼に変わりますかぁ? 貴方が狼ならこ・わ・く・な・いっ! ・・・♪ 石野真子が能天気に歌っていた『狼なんか怖くない』のサビの部分である。 昨夜一晩中ケーブルTVなんて見ていたら、その後12時間打っ続けで眠ってしまった。 眼が覚めた時に、この歌詞が頭の中をリフレイン。 私の脳細胞は、ホンの一部ではあるが未だ『精神の彼岸』から帰ってきていない。 付き合っていた彼。 「この程度の男なら狼になった処で、チットも怖くなんてないっ!」 って『彼』を馬鹿にした歌なのか。 「『送り狼』になっても、い・い・わ・よぉ~」 って誘っている歌なのか・・・ 歌詞はこの部分だけしか覚えてないので良く判らない。 「男はやさしいのが一番」 なんて言いながら・・・ 「チョッと不良っぽい男が好きっ!」 なんてのが大多数の女性の男性観らしい。 でも・・・ 飽く迄も『チョッと』なんである。 ミンナの知らないお店を知っている。 友達の中では一番目立ってる。 何時でも私をリードしてくれる。 ・・・チョッと『翳り』があって、 ・・・チョッと『頼り』になって、 ・・・チョッと素敵っ! そして・・・ 漸く、そんな『彼』を射止めて、楽しい楽しい新婚旅行。 でも何故か、諸外国の観光地に団体で押しかける『新婚旅行』ツアー。 そんな素敵な『彼』は・・・ 食事の際に『MENU』って言葉さえ判らずにアタフタ。 そして・・・ 食事中ズッと無言の二人。 空港のDuty-free shop。 現地の店員から『日本語』で尋ねられて・・・ 「何て答えたら良いのっ!」 パニクる二人。 私が旅していて実際にお目にかかった光景である。 最初は『送り狼』でも良いと思っていた『頼もしい彼』。 それが・・・ 「テメエが狼になってもチットも怖かねえんだよっ!」 ・・・馬鹿にされる『小心者の彼』 この『彼への評価』の変遷が、1週間くらいの間に起こる。 それが『新婚旅行』ってモンらしい。 どうやら、『狼』に変心するのは『女性』の方なのかも知れない。 安倍首相は、訪米、そしてブッシュ大統領との会談により、改憲に意欲満々らしい。 憲法第九条は後回し・・・ 如何にも自由民主党らしい玉虫色の議論だが。 彼の祖父に岸信介が居る。 1960年1月に訪米した岸首相は、アイゼンハワー大統領と会談し、新安保条約の調印と同大統領の訪日で合意する。 そして・・・ 岸首相は、アイゼンハワー大統領の訪日の安全を守るために、 博徒、暴力団、恐喝屋、テキヤ、暗黒街のリーダー達を説得し、『効果的な反対勢力』を組織。 その最終計画は、1万8千人の博徒、1万人のテキヤ、1万人の旧軍人と右翼宗教団体会員の動員。 彼らは、政府提供のヘリコプター、セスナ機、トラック、車両、食料、司令部や救急隊の支援を受け、さらに約8億円の『活動資金』が支給されていた。 なんて『米紙』に書かれたらしい。 最早『タカ派』なんてモンじゃなく・・・ 『血に飢えた狼』になろうとしていた。 そんな岸首相に対して民衆は・・・ 同年6月15日には、ヤクザと右翼団体がデモ隊を襲撃して多くの重傷者を出し、 国会構内では警官隊との衝突により、 デモに参加していた東大生『樺美智子』の死亡事件が発生。 俗に云う『安保闘争』である。 同年6月15日と18日には、岸首相から自衛隊の治安出動を打診された防衛庁長官はこれを拒否。 安保反対のデモが続く中、一時は首相官邸で死を覚悟する所まで追いつめられたが、6月18日深夜、条約は自然成立。 6月21日には批准、天皇が調印した。 新安保条約の批准書交換の日(同年6月23日)、混乱の責任をとる形で岸内閣は総辞職。 辞任直前には暴漢に襲われ、瀕死の重傷を負った。 結局、アイゼンハワー米大統領の訪日は中止に追い込まれた。 ・・・らしい。 そして、三池争議。 単なる炭鉱会社のリストラが、九州大学教授向坂逸郎の登場で、何時の間にか『階級闘争』なんてモンになってしまった。 三井鉱山からの6千人の希望退職と指名解雇。 「日本労動組合総評議会(総評)が全面的に支援した『労組側』」は、この措置に反発し無期限ストに突入。 「財界がを全面的に支援した『三井鉱山側』」も経営再建の決意は固く、三池鉱山のロックアウト(締め出し)と組合員の坑内立ち入り禁止でこれに対抗。 このため三池争議は『総資本対総労働の対決』などと呼ばれた。 ・・・らしい。 1960年3月25日にはピケを張っていた三池労組の組合員『久保清』が暴力団員に刺殺され、 同年7月7日、福岡地裁が、貯炭場であるホッパーへの組合員立ち入り禁止の仮処分を下す。 福岡県警は、ホッパーを占拠している三池労組組合員を排除するため警官隊を差し向け、ホッパー周辺は一触即発の状態となる。 そこで、流血の惨事を恐れた日本炭鉱労働組合と三池鉱山は、中央労働委員会に事態の解決を一任。 同年8月10日、中央労働委員会は斡旋案を発表。 その内容は、『会社は指名解雇を取り消す代わりに、整理期間の終了を待って、指名解雇された労働者は自然に退職したものとみなす』という組合側に圧倒的に不利なものであった。 しかし、もはや戦う限界に達していた炭労も総評も斡旋案受諾を決め、同年11月11日、三池労組は無期限ストライキを解除して、三井三池争議は組合側の敗北に終わった。 ・・・らしい。 岸首相の運命を決定付けた『安保闘争』と『三池争議』 とうとう『彼』は『狼』にはなれなかったようだ。 だが、岸内閣に牙を剥いた2つの民衆蜂起も・・・ 結局は、『樺美智子』と『久保清』、 『夫々1人ずつ』の死亡事件で終焉してしまう。 所詮、我が国民衆は群れた処で『狼』になんてなれないんだろう。 祖父の血を継ぐ安倍首相。 彼の行く末は・・・ 果たして『狼』になろうとしているのだろうか? 岸首相には刃向かった民衆は? 今では『牙』さえもない。 |